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熱中症対策【2019年版】医師からのアドバイス

約 9 分

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こんにちは、女医miyoです。

5月も終わり夏が到来する季節ですが、皆さん元気にお過ごしでしょうか?

まだ5月も終わりですが、日中は30度超えも出てきており、熱中症のニュースがパラパラと見受けられます。

そして、私自身、暑さに強いと思っていましたが、去年の夏は本当に熱くて大変でしたね。

まあ、毎年言ってる気もしますが(笑)。

去年の夏は、連日、40度超えが報道され、熱中症で命を落とした悲しい話があり、どうにか助けられなかったのかと思います

そこで、本格的な夏が来る前にこれを読んでもらい、大切な命が熱中症で奪われないためにも、一人一人が注意し、暑い夏を健康に乗り切りましょう!

自分は元気だし、健康なので大丈夫という慢心が危険です。

熱中症は、だれにでも起こりうることです!

ここは熱中症ガイドラインを元に、なるべく分かりやすく解説しています。

これを読んでいただき、熱中症患者さんが減ることに役立つことを祈ります。



熱中症とはどんな状態か?



熱中症

熱中症は、体内での熱の産出と熱の放散のバランスが崩れて、体温が著しく上昇した状態をいいます。

人間の体は、外気の影響と内部から熱を作り出すことで体温を保っています

外気が寒ければ体を震わし熱を作りますし、暑ければ汗をかき熱を放散しようとします。

そのバランスが崩れ、汗をかくこともできなくなり、体温が著しく上昇する状態です。

そして、Na低下、脱水を引き起こし、体をめぐる血液量を減らし、多臓器不全をも引き起こすこともある重症な状態です。

どんな状態だと熱中症になりやすいのか?



熱中症環境

体への熱の出入りに関係する気象条件は、気温(周 囲の空気の温度)、湿度(空気に含まれる水蒸気量 に関係)、風速放射(輻射)(太陽からの日射、 地表面での反射、建物からの輻射など)があります 。

要するに、気温が暑く、湿度が高い、風が弱い、放射熱が強い方が熱中症になりやすいです。

反対に、気温が涼しく、湿度が低い、風がふいている、日陰の方が熱中症になりにくいことが分かりますね。

なるべく、日陰などで休憩をこまめにとり、風通しのよいところで休憩をするように選びましょう。

また、コンクリートなども照り返しがある部分は避けた方がよいです。

 どのような人がかかりやすいか?



熱中所ガイドラインでは、2パターンに分かれるようです。

①労作性熱中症



労作性熱中症

中壮年男性の労働による労作性熱中症は、男性に多く、若年男性のスポーツ、屋外での発症頻度が高く、重症例は少ないと言われています。

長時間(1~2時間程度)の連続した作業・練習は避け、指導者が適切に監督する必要があります。

スポーツ中、肉体労働 中の熱中症は多いとされていますが、治療に反応もよく重症化しにくいです。

②非労作性熱中症



高齢者熱中症

非労作性熱中症は、高齢者に多く、重症度も高いと言われています 。

屋内で発症する非労作性熱中症では、高齢 独居日常生活動作の低下精神疾患や心疾患高血圧糖尿病認知症などの基礎疾患を有することが熱中症関連死に対する危険因子であるとされています

一人暮らし、高齢で、何かしら病気のある方に発症しやすいということですね。

高齢者になるほど熱に対する感受性、体温調節能、活動レベルは低下します。

暑くても我慢したり、暑さに気づきにくいです。

また、高齢者はエアコンを嫌い、エアコンの使用が少なく、設置しているにもかかわらず使用を控える傾向にあります

熱中症になり、病院にかかったり入院する方がよっぽどお金もかかります

高齢者の方は、積極的にエアコンを使いましょう

また、小児も注意が必要ですね。

小児は、大人より循環血症量が多く、簡単に脱水に陥りやすいです。

熱中症の発生頻度はどれくらいか、地域別での発生に差はあるのか



熱中症患者のなかで、平成 25 年(2013 年) 35,571 人(全体 の 8.7%)が入院する必要があり、うち死亡者は 550 人(全体の 0.13%)で 65 歳以上が 474 人(死亡の 86%)を占めています。

また、患者全体では、65 歳以上が 184,834 人(全体の 45%)で、 高齢ほど発症割合が高いことが分かります。

地域別では、関東、近 畿、中部などの大都市圏で絶対数は多いです。

ただ、人口分布の割合は、西日本に多い傾向があります。

起きやすい時期、いつ起きやすいのか



熱中症夏の太陽

熱中症の発症時期は、梅雨明け後 7 月中旬から 8 月上旬にかけてピーク を迎え、発症時刻は 12 時および 15 時前後の日中が 最も多いとされています。

これは、当たり前ですね、暑ければ暑いほど熱中症が起きやすいです。

7月から8月の日中が要注意になるわけです。

日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」、日本体育協会「熱 中症予防のための運動指針」からは、

熱中症搬送者数が急増する暑さ指数 28℃は「気温」31℃

熱中症に よる搬送者が大量発生する暑さ指数 31℃は「気温」 35℃にあたります。

去年の夏は35度以上が続いており、熱中症患者が増えるわけです。

今年はどうでしょうね。

重症度は?病院にかかるタイミングは?



病院搬送

熱中症にかかってしまったとき、病院にかかるタイミングで迷いますよね

適切なタイミングで治療開始することは大切です。

ここで病院にかかるタイミングを書きました。

重症度は、日本救急医学会熱中症分類ではⅠ度~Ⅲ度で表します。

Ⅰ度:軽症



従来の分類で言うところの熱失神、日射病、熱痙攣に相当します。

熱失神は、めまいや立ちくらみ、一時的な軽い失神が起きる状態をいいます。

熱痙攣とは、暑さにより大量に汗をかき、さらに水分を大量に摂取すると、塩分が薄まり、けいれんが起こります。これを熱痙攣といいます。

この状態は、現場にて対処可能な病態で、水分補給、冷却だけでも改善することが多いので、自宅でも治療することもできる状態です。

Ⅱ度:中等症



熱疲労 に相当します。

熱疲労は熱けいれんより重症です。

より大量の水分や塩分が失われ、症状も重篤になる状態です。

めまい、ふらつき、失神、嘔吐、筋力低下、筋肉痛などがあり、また、立ち上がるときに失神しそうになる状態です。熱失神が重症になった状態ですね。

大量に発汗してる状態で、心拍数や呼吸数は上昇し、血圧は下がります

この状態は、速やかに医療機関への受診が必要です。

すぐに病院に行きましょう

Ⅲ度:最重症状態



Ⅲ度は中枢神経症状 、肝・腎機能障害、血液凝固異常などの臓器障害を呈するものを言います。

Ⅲ度は採血、医療者による判断により入院(場 合により集中治療)が必要な状態です。

見つけ次第、すぐに病院に行きましょう

場合によっては、致死的な状態になることもあります

重症化を防ぐためにも、早期に異常を発見し、早期に治療を開始する必要があります。

熱中症を予防するにはどうしたらよいか?



熱中症になる前に予防することが大切です!

まず、脱水が起きないよう水分補給、涼しいところに移動することが大切です。

しかし、水だけを飲んでいればよいかというとそういうわけではありません

塩分と水分を適度に含んだもの(0.1~0.2% の食塩水)が推奨されています

では、この飲料水を作って飲むのか、それは手間ですし、現実的ではないですよね。

そして、水と塩分だけではおいしくありません。

現実的には市販の経口補水液が一番手っ取り早いと思います。

こんなやつです。

OS1




我が国では経口補水液 オーエスワン® (OS-1: 大塚製薬工場)が普及していますよね。

ドラッグストア、ネットなんかでも簡単に買えると思います。

なぜ、水分だけではだめかというと、

熱中症では水分とともに Na など電解質の喪失があるので、Na 欠乏性脱水が主な病態であり水分の補給に加えて適切な電解質の補給が重要だからです。

そのため、熱中症の場合、特に塩分と水分が適切に配合された経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)が適切とされています。

ORS は、当初発展途上国での乳幼児の脱水症の予防や治療目的に作られました。

ORSは、小腸で Na とブドウ糖は 1:1 で吸収されることからそのような組成となっているんです。

吸収性がよく脱水予防になります。

また、OS1以外にお味噌汁も良いです。

朝出かける前に、朝ご飯のときに1杯のお味噌汁を取っていくと、塩分も含まれており、エネルギー補給にもなります。

暑い日こそ、お味噌汁を取ってから出かけると良いと思います。

よく市販で売られているスポーツドリンクは塩分量が少なく、糖分が多いです。

ですので、糖尿病の方などは、高血糖によるさらなる脱水も引き起こしかねません。

適度に摂取するのは問題ありませんが、過度に摂取するにはスポーツドリンクは注意しましょう。

夏場は特に高齢者に脱水症が生じやすく、高齢者の場合は、脱水に自分では気づきにくいことも多いです。

高齢者はさらにお茶などの塩分が少ない嗜好があり自分では水分補給をこまめに取っているつもりでも、熱中症を引き起こしてしまう危険性があります。

その場合は、塩分も取るように心がけてください。

熱中症になってしまった場合の治療方法は?



熱中症シャワー

もし、熱中症になってしまった場合、そういう人を見かけた場合、どうしたらよいのでしょう。

軽症の場合は、涼しいところに移動し、先ほどのOS1などの経口補水液を取らせてあげましょう

シャワーや冷却剤で冷やしてあげるのも良いと思います。

ショック状態など生命を脅かす合併症が存在しない限り、病院に搬送する前にまず水槽に浸す、または大量の水を噴霧させる(シャワー)などして、できるだけ早期から冷却処置を行うことが推奨されています。

しかし、過度の冷却によって低体温に陥らないように注意しましょう。

本来なら、深部体温のモニタリング下に処置を行うことが望ましいとされています。

目安としては、浸漬させる水槽の水温が 10℃未満であれば 38.6℃、10℃ 以上であれば 37.8℃の直腸温を目標とした冷却をおこなえば、低体温を生じることなく、安全であったことが報告されています。

難しいようなら、水のシャワーをかけてあげるのがよいかもしれません。

本人が気持ちい程度にシャワーで冷やしてあげれば、過度に冷える心配も少ないです。

高体温の時間 が長くなることで予後が不良となるため、労作性と同様にできるだけ早期に 38℃台になるまで冷却す ることが大切です。

さらに、意識がある場合は、先ほどのOS1などの経口補水液を取らせてあげましょう

意識がない場合に無理飲ませると、嘔吐や誤嚥を起こし危険ですので、やめましょう。

その間に病院への搬送の準備をし、搬送しましょう。

まとめ



今回は、熱中症について詳しく書きました。

この内容は、医療者だけでなく一人一人が予防することの大切さ、また、初期治療についても書きました。

今年の夏ももうすぐそこです。

わたしは夏が大好きです。

海、プール、キャンプ、BBQ、花火、登山、ドライブ、今年の夏もやりたいことがいっぱいです。

一人でも熱中症患者が減り、大切な命が奪われないことを祈っています。

そして、楽しい夏を過ごしましょう!

みなさん健康に過ごしましょうね。

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